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電話がかかってくると、ドキッとする。
ずっと楽しみにしていた日曜日。
いつも、お見通しだから。きっと、私がこの日をものすごく楽しみにしていた事を、彼も分かっていたと思う。
だから、いつもより重い「ごめん」には、申し訳ないと思う気持ちが多分に含まれていて。
悲しい気持ちを閉じ込めて、「大丈夫」と笑った。
「知世ちゃん!誘ってくれてありがとう!ドーナツ、すごく美味しかったね~!」
「さくらちゃんに喜んでもらえて、私も嬉しいですわ」
土曜日。知世から誘われて、さくらは新しく出来たドーナツショップへと来ていた。
知世の母がこの店のオーナーと知り合いらしく、優待券をたくさん貰ったらしい。おかげで、色んなドーナツをお腹いっぱいに食べられた。
食べきれない程にトレイに乗せてしまったから、帰りにお土産用に包んでもらった。
今日一緒に行くと散々ごねていた相棒も、機嫌を直してくれるだろう。ケルベロスの喜ぶ様子を想像して、さくらは思わず笑った。
「李くんも来れればよかったんですけど。やはり、週末までお忙しいみたいですね」
「・・・うん。大変なんだろうなって、ちょっと心配」
「さくらちゃんは本当にお優しいですのね」
「ううん、優しくなんかないよ。本当はね、我儘言いたいの我慢してるの」
小狼には言えない事。知世の優しい笑顔の前だと、素直に口に出してしまう。
「大丈夫」の言葉の裏に隠されている、本当の気持ち。
沈むさくらの頭を、知世が優しく撫でる。
子供にするような仕草に少し照れくさくなるけれど、それ以上に安心した。
「さくらちゃんは優しいです。・・・次に会った時に、我儘たくさん言ってあげてください。李くんもきっと、喜びます」
「・・・我儘言って、喜ぶの?困るんじゃない、かなぁ」
「いいえ。断言しますわ。さくらちゃんからの我儘なら、李くんはきっと喜びます」
知世の言葉には、不思議と信じられるものがある。力強い言葉にさくらは笑って、元気よく頷いた。
「さぁくらー。もう昼やでー。いくらお父はんや兄ちゃんがいないからって、寝坊しすぎとちゃうかー!?」
ぺしぺし。
布団の上からケルベロスの手が体を叩く。さくらは、もぞ、と布団の中から少しだけ顔を出して、また潜った。
眠くない。けれど、起きる気にもならなくて。
今日は日曜日。
天気もいいし、あたたかい。窓の外に見える空の色は、澄んだ青。いつもはそれだけで嬉しいけれど、今は少し憎らしい。
「さくらー!そんなに寝て、溶けても知らんで―!?」
再三のケルベロスの声に、とうとう観念して起き上がった。
よろよろと階段を下りて、誰もいない静かなリビングに腰を下ろす。後ろから飛んできたケルベロスが、さくらを見てぎょっとした。
「えらい顔しとるで。寝癖もひどい。やっぱ寝過ぎや」
「うぅ・・・。今日は、何もしないの」
クッションをぎゅうぎゅうに抱いて、さくらはソファに寝転がった。
「小僧と会えないんが寂しゅうて、そないに凹んどるんか?しゃぁないなぁ、さくらは」
呆れた声音の中にも、心配しているのが分かる。さくらは、頭を撫でるケルベロスの手に甘えるように擦り寄った。
「それより、腹減らんかー?なんか食べようや、さくらー」
「うーん・・・。でも、作る気にならないよぅ・・・」
「こぉのぐーたら!・・・でも、待てよ?さくら!!あそこ行こうや!!この前買ってきてくれたドーナツ屋さん!!」
「・・・ほえ?」
ソファに寝転んでダラダラしていたさくらの眼前に、目をギラつかせたケルベロスが飛び込んできてそう言った。
寝起きの頭はまだぼんやりしていて、いつもより処理が遅い。
ケルベロスの言葉。『ドーナツ』という単語に、お腹が反応したように鳴った。頭の中が、色とりどりのドーナツで埋め尽くされる。
さくらとケルベロスは揃ってうっとりとした表情で、涎を垂らした。
「ドーナツ・・・食べたい!」
「なぁ!ええやんええやんっ!ほら、知世から貰った優待券、まだ残っとるんやろ!?」
「うんっ!行こっかケロちゃん!!」
さっきまでのダラダラが嘘のように、元気になった。
頭の中を占領していたもやもやが、途端にドーナツに変わる。さくらはソファから飛び起きて、早速洗面所へと走った。
顔を洗って、寝癖も直して。
今日小狼とのデートで着ていく筈だったワンピース・・・ではなく、動きやすいショートパンツに着替えて、準備を整える。
「わぁってる!!」
いつもは留守番を余儀なくされるケルベロスだが、今日は一緒に連れて行って貰える。
そのはしゃぎ様が少し不安ではあったが、底なしの明るさに引き摺られるように、さくらの心も浮かれた。
気合いの入った顔で互いに頷き、いざ、ドーナツ店へと向かった。
文字数がオーバーしてしまったので、続きは次の記事に載せさせて頂きます。
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HN:碧 茶々(みどり ちゃちゃ)(別館2件は心美名義で。)
出身地:大阪府東大阪市(完全な関西人じゃないです。)
年齢:20代
血液型:A型
星座:山羊座
干支:寅年
身長:149cm(身長低いな。)
誕生石:ガーネット(柘榴石)
誕生守護石:オニキス(黒メノウ)
好きなパワーストーン:ローズクォーツ(紅水晶・紅石英)
好きな食べ物:チョコレート,チョコレート菓子,洋菓子,和菓子,甘い料理,辛い料理,酸っぱい料理,こんにゃく,鮭,豚肉,鶏肉,寿司,中華料理など
好きな飲み物:コーヒー(昔より、平気になった。),抹茶,紅茶,ハーブティー,はぶ茶,緑茶
苦手な食べ物:牛肉
好きな男性のタイプ(出会いは求めてません。):駄目な事は駄目って、言ってくれる人。例として、コーヒーで苦そうな味な物をあたしが選んだ場合、「俺がそれを頼むから、お前が選ぶなよ。」って言ってくれる方が良いです。ジャニーズアイドルで理想に近いのは、TOKIOの末っ子の松兄と智也です。後、嵐の相葉ちゃんかなぁ!?
好きなジャンル:ファンタジー,ラブコメ,ミステリー,サスペンス,オカルトなど
好きな漫画:少女漫画(カードキャプターさくら,学園アリス,好きです鈴木くん!!,セーラームーンシリーズなど),少年漫画(エデンの檻,金田一少年の事件簿,國崎出雲の事情,女王蜂,名探偵コナン,境界のRINNE,クロスゲーム,ひぐらしのなく頃に,ロザリオとバンパイア,BLOODシリーズ[BLOOD+・BLOOD-Cなど],ポケットモンスターシリーズなど)
好きな小説:放課後シリーズ(探偵の女の子が三原千春みたいな子です。),少年探偵セディシリーズ(主人公が江戸川コナンみたいな女の子です。)など
好きなドラマ:恋して悪魔,花より男子,金田一少年の事件簿など
好きな女優・男優:中山優馬(アイドルで、パーソナリティーもやっている。今の優馬君も、幼い頃の優馬君も、大好きです。),小池徹平(ミュージシャンでもある。),仲間由紀恵,松嶋奈々子,知念侑李(優馬君と同じジャニーズのユニット3人組のNYCの子です。侑李君は天使だとあたしは思います。因みに、優馬君は小悪魔だと思います。で、山ちゃん(山田君)は両方だと思います。),あっちゃん(前田敦子),ゆうこちゃん(大島優子)など
好きなアイドルグループ:嵐(基本、全員好きです。),TOKIO(TOKIOでお気に入りは松岡さんと城島さんと長瀬君),KinKi Kids,V6,中山優馬w/B.I.Shadow,NYC(NYCでお気に入りは優馬君と侑李君),AKB48(最近、お気に入りはAKB48のメンバーで、演歌歌手でもある岩佐美咲ちゃん)など
好きな声優:くまいもとこ,松本梨香,坂本真綾,高山みなみ,林原めぐみ,折笠愛,佐藤ゆうこなど
好きな歌手:坂井泉水(ZARD),倉木麻衣,GARNET CROW,ゆず,竹内まりやなど
好きなゲーム:ポポロクロイス物語(主人公が江戸川コナンみたいに乗り物の運転が得意な木之本さくらみたいな天然王子様),マザー2,ポケットモンスター,ゼルダの伝説など
マイブーム:少年舞妓・千代菊がゆく!(最終回が気になります。)