久々に、逆チョコ（男の子）後編を更新します。今回は後編その5です。前回はこちらです。＊この小説はオリキャラを含みます。大丈夫な方は下記からお読み下さい。

[0回]

＜逆チョコ（男の子）後編その5～このドキドキは一体、何？～＞

　桜と小狼の番が終わり、知世と真の歌う順番が回って来たのだ。

知世（さくらちゃん、とても良かったですわ！序に李君も！次は私と真君の番ですわね！）

桜「次は知世ちゃんの番だよ！ねぇ、知世ちゃん、聞こえてるの？」

知世（い、今まで、緊張した事の無いこの私が、どうして、・・・今頃になって、こんなに緊張しますの？その訳が判りませんわ。ああ、このドキドキは一体、何なのでしょう？）

　知世は桜の発言に答える様子が無い。

桜（やっぱり、知世ちゃん、なんか変だよ！どこか悪いのかなぁ？）

「あの先生、わたし、保健委員なんで、知世ちゃんが具合が悪そうなので、保健室に連れて行っても良いですか？」

知世「さ、さくらちゃん！？べ、別に、私はどこも悪い所は無いんですのよ！た、ただ、少し動悸して･･･」

桜「そ、そうなの？知世ちゃん、お顔が真っ赤だし、熱でも有るんじゃないのかなぁって、私、心配したの！」

知世「有り難うございます。さくらちゃん！でも、これはそういうの全くと違いますわ！」

（さくらちゃんに余計な心配を掛けてしまいましたわ！ああ、私とした事が･･･。これは今までの罰が私に降りかかったんでしょうね！？）

桜「ねぇ、小狼君？知世ちゃんは何の事を言ってるのか、全く、判らないよう！」

小狼「さくら！今は授業中だぞ！後で、聞いてやるから！」

（俺は大道寺の事はどうだって良い！さくら、悩む必要は無い！これは大道寺の問題なんだから！）

　小狼は桜の発言に聞く耳を持とうとしない。一方、真も知世と同じく落ち着きが無い。

真（と、/////ともよちゃんに抱き付かれた感触が、･･･まだ、身体に残ってる！でも、/////でも、/////い、/////今は授業中。ああ、ド、/////ドキドキが、･･･と、/////止まらない！）

　真は先程の事が恥ずかしくて、両手で自信の顔を覆い隠していた。

真（い、/////いや、こ、/////こんな所でじっとしている時間はじゃないな！早く、しないと！）

「と、/////と、/////と、/////ともよちゃん？次は俺らの番だ！は、早く、行こうよ！早くしないと、授業が終わっちゃうじゃんかよ？」

　真はかなり動揺しながら、知世に言った。

知世「あ、/////あら、そうですわね！真君！し、/////しかし、皆さんの視線が冷たい気がしますが、気のせいでしょうか？」

　知世は少し動揺しながら、真に聞いた。

真「だ、/////誰のせいで、こんな事になったのか、判ってるのか？アンタは反省する気ないんだろう？俺は怒ってんだぞ？しかも、やり方がかなり汚過ぎ！」

知世「私、調子に乗り過ぎましたわ！ごめんなさい！あ、あの、こんなつもりじゃなかったんです！私のせいですわね！わ、私が責任を取ります！貴方の為なら、何でもしますわ！だから、許して下さい！真君！」

　知世は真に土下座して謝った。

真「ふ～ん！まぁ、良いや！（クスクス！）でも、今、何でもするって言ったよな？バレる様な嘘は吐くな！勿論、浮気もしないで欲しい！」

知世「はい、解りました！」

（あら、それだけ？もっと、凄い事を考えてらっしゃるのかと思いましたわ！まぁ、それは残念！でも、あの黒い笑いは何なんですの？恐ろしいですわ！何を考えてるのでしょうか？判りませんわ！）

　知世はがっかりした顔をして思った。

知世（ん？でも、しかし、今の真君は昔の真君とは同じ人ですわよね！？もし、こちらの性格の悪い方が本当の真君だとすると、私は今まで彼に騙されていたのかもしれませんわね！ああ、ますます、侮れませんわ！）

　知世は真の横顔を見ながら、焦った顔で思っていたのだ。

　その後、知世は真と一緒に歌うものの、上手く歌えなかったのだ。

～放課後～

知世（ああ、私とした事がさくらちゃんと皆さんに迷惑を掛けてしまいましたわ！そう、これは元はといえば、あの女のせいですわ！許しませんわよ！茉莉さん！私の気も知らずに、多分、今頃、何も無かった様に、涼しい顔をしている頃でしょうね？）

　知世は自分の失態を棚に上げて、茉莉のせいにした。

桜（はぅ、知世ちゃん、何か、怖いよぉ！私、こんな知世ちゃんは見たの初めてだよ！）

　桜は帰り支度をしながら、知世を見て思った。

　桜はこんな知世が恐ろしくて、一緒に帰ろうと声を掛ける勇気が出なかったのだ。そして、桜は知世に声を掛けるのを諦め、小狼と一緒に帰る事にしたのだ。

　先程の音楽の授業の前の事を思い出し、桜と小狼は気まずく、お互いに何を話したら良いのか判らなかった。

　桜はいつも通り、小狼の家まで辿り着く。

小狼「俺はあの２人が何を考えているのか、見当がつかない！」

桜「う、うん、私もそう思うよ！」

小狼「さくら！まぁ、取り敢えず、あがれよ！お茶入れるから！」

桜「は～い！お邪魔します！」

　２人が話していると、真が陰から２人の様子を伺っていた。

真（俺は何をやってるんだ！うわ～！これじゃあ、ストーカーじゃないかよ！）

　どうやら、真は２人に先程の事で謝りに来たらしい。そこへ、偶然、通り掛った山崎が現れた。

山崎「あれぇ？本城君！そんな所で何やってるの？」

真「い、いや、山崎！お前こそ、」

山崎「僕はこれから塾なんだけど、その前に李君に謝ろうと思ってさ、ここに来たんだよ！今日は木之本さんが居るわけだし、また、明日にしようと思う！だから、今日は帰りなよ？」

真「そうだな！」

山崎「あっそうだ！一つだけ言い忘れたよ！」

真「何だよ？」

山崎「大道寺さんの事、ちゃ～ん、守ってあげなよ？誰が狙ってるか、判らないからね！」

真「うん、解った！」

　２人はそれぞれ帰って行ったのだ。しかし、この２人が明日、何を仕出かすのかは小狼は知る由もなかった。
 
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