今回はバレンタイン話＜誰にあげるの？＞の続きの後編の＜お姉様は苦いチョコレートがお好き！？＞を更新します。随分と時期がズレました。（変更：2013/03/10）＊この小説はオリキャラを含みます。大丈夫な方のみ、下記からお読み下さい。

[2回]

＜誰にあげるの？後編～お姉様は苦いチョコレートがお好き！？～＞

～昼休み～

山崎「李君、もう直ぐ、バレンタインだよね？今年も、木之本さんにチョコレート、あげるんだね！はぁ～！」

　山崎は溜息を吐きながら言った。

小狼「ど、どうかしたのか？」

山崎「今年も、また、千春ちゃんの硬くて、まっずいチョコレートくれるのかなぁ？後、しょっぱいが抜けてたね！どうしたら、砂糖と塩を入れ間違えるだろうね？今年も、胃薬を用意して置いた方が良さそうだね！」

　小狼は山崎の話を聞いて、苦笑いを浮かべていた。

山崎「李君、君は良いよ！木之本さんから美味しいチョコレートを貰ってさ！」

小狼「ん、いや、そうでもないよ！」

山崎「ん！？どういう事？何時も、美味しいって、言って食べてるよね！」

小狼「そう言わないと、アイツは泣くかもしれないしな！」

山崎「君はホント、優しいね！」

小狼「べ、/////別に、お、俺は優しくなんか、ない！」

山崎「もう、李君ったら、照れちゃって！」

小狼「う、煩い！お、お前はそんな事を言う為に俺を呼び出したのか？」

山崎「あんれぇ、バレた？君に相談したい事があってさぁ～？」

小狼「どうせ、お前の事だからな、くだらない事だろう！」

山崎「言う前に何言ってんだよ？まぁ良いから聞きなよ？」

小狼「な、何で、俺なんだよ？柊沢に聞けば良いだろう？」

山崎「聞こうと思ったんだけどね、柊沢君の取り巻きに柊沢君が囲まれてて、聞くに聞けなかったんだよ！」

小狼「ふ～ん、そうだったのか！でも、それだったら、大道寺や佐々木，三原，柳沢が居ただろう？」

山崎「うっ、ち、千春ちゃん！？ぼ、僕が千春ちゃんに聞いたら、こ、殺されるよ？でも、柳沢さんは論外でしょ？」

小狼「ああ、それも、そうか！ごめん！どうして、三原が駄目なんだよ？お前、まさか、三原に何かしたのか？」

　山崎は俯いて、こう言った。

山崎「し、してないよ！僕はそんなつもりじゃないよ！」

小狼「雨寺の事だろう？」

山崎「・・・・・！」

小狼「ああ、そうなんだな！判らなくもない！」

山崎「あれぇ？李君、それはどういう事なのかなぁ？」

　山崎は小狼をジト目で見た。

小狼（な、何で、そんな怖い目で見るんだ？俺が悪い事をしたみたいじゃないか！）

「あっ、い、いや、対した事じゃ、ない、よ！いや、それより、どうして？怒ってるんだ？お前は！」

山崎「別に、僕は怒ってないよ！李君にはそう見えるの？」

小狼「あっ、いや、別に！」

山崎「李君に対して、怒ってるわけじゃないんだよ！」

小狼（俺に対して、じゃなかったら、誰に怒ってるんだよ？もしかして、三原に対してなのか？）

山崎「あのお姉さんに対して、ちょっとイラッとしてるだけどさ、・・・・・」

小狼「あのお姉さんって、まさか？雨寺の従姉の姉貴の事か！うん、俺も判る気がするよ！」

　山崎は小狼の言った事に対して、困った顔をしていた。

山崎「いや、そうじゃなくて、」

小狼「じゃあ、俺の姉上がお前に偶然に会ったとか！」

山崎「いや、それも違うよ！でも、李君のお姉さんが友枝でお店を開いた事は雑誌を見て、知ってるよ！」

小狼「ああ、それは、俺に対しての姉上の嫌がらせなのか？」

山崎「李君の事が李君のお姉さんはよっぽど心配なんだろうね？あのね、李君？僕が言いたい事はそういう事じゃないんだよ！」

小狼「違うのか？だったら、何なんだっていうんだよ？」

山崎「僕が説明するのがめんどくさいしさ、これを見てよ？」

　山崎は制服のズボンから赤い携帯電話を取り出して、小狼に見せた。

小狼「Cメール！？これがどうしたんだ？」

山崎「まぁ、取り敢えず、読んでみてよ？」

　小狼は山崎に言われる通り、メールの本文を読んでみた。

小狼「いや、こ、これは不味いんじゃないのか？山崎！椿さんが雨寺にあげるはずだったバレンタインチョコレートが、・・・今村が食べただと！？」

山崎「今村君のやってる事が汚いにも程あるでしょ？自分が貰えないからって、盗むなんて！後、雨寺君は白峰さんにバレンタインチョコレートをあげる勇気が無いからって、僕にくれるなんて、言うんだよ！まぁ、今回は貰ってあげても良いけどね！」

小狼「どんなのをくれるんだ？」

山崎「甘みの少ない超絶苦いビターチョコレートだってさ！」

小狼「えっ！？何だ、それは？」

　小狼は困った顔で言った。

山崎「白峰さんは苦いのが大好きなんだってさ！」

小狼「でも、苦過ぎるチョコレートは食べても、平気なのか？」

山崎「食べたら、頭痛くなるよ！で、作った雨寺君本人は苦いのは苦手らしいんだけど、大丈夫なんだろうか？倒れてなかったら、良いんだけどね！僕は心配だよ！念の為に鎮痛剤を用意して置いた方が良いよね？」

小狼「どうして、俺に聞くんだよ？山崎！」

山崎「いや、残ったら、君にもあげようと思ってね！」

小狼「そ、そうなのか！ま、まぁ、少しだけなら、お、俺が貰ってやっても良いよ！どうせ、最初からそのつもりだったんだろう！」

山崎「ごめん！」

小狼「良いよ！別に、俺は気にしてないんだからな！」

　その後、運命のバレンタインデーの日に山崎は輝から貰ったバレンタインチョコレートを小狼と一緒に食べたのだ。

　但し、小狼自身は倒れる程の頭の痛みでは無かったので、小狼は山崎に対して、凄く怒ったらしい。

終わり

＜お姉様は苦いチョコレートがお好き！？＞